高齢者の骨粗しょう症(骨粗鬆症)の原因
骨粗しょう症(骨粗鬆症)は高齢者に多く発症しますが、それを 「老人性骨粗しょう症」といいます。
高齢になるとなぜ骨粗しょう症がおこりやすいのでしょうか?それは、年をとると栄養の吸収率が悪くなるからだと考えられます。特に、 腸管からのカルシウム吸収が加齢とともに低下し、骨形成が十分に行われなくなります。
さらに、高齢になってからの生活スタイルもその要因の一つです。人間は60歳を超えるころから筋肉量が大きく減少します。
筋肉量が減少すると、体力がなくなり、身体を動かすことがおっくうになってきて、日常の運動量が少なくなります。
骨の形成には、カルシウムの摂取だけでなく、運動も重要であるため、運動量が少なくなると骨密度も低下しがちです。
しかも、骨粗しょう症になると骨折しやすく、一度、転倒など何らかの原因で骨折すると回復に時間がかかります。その間、
運動しないことによってさらに運動量が低下し、骨密度が低下してしまう、という悪循環になってしまいます。
このような状態が続くことで、そのまま寝たきりになったり、日常生活に支障をきたすケースが多いです。
また、「骨粗しょう症の原因」 でも述べたように、高齢者の女性は特にエストロゲンの減少が原因で骨粗しょう症になる可能性が高く、より一層の注意が必要です。
骨粗しょう症も生活習慣病の1つです。高齢者が骨粗しょう症をを予防・改善するためには運動と食事を中心とした生活習慣の改善、 さらに状態によっては薬物療法が行われています。
予防・改善の運動としては水泳やサイクリングよりもジョギングやウォーキング、
球技など自分の脚で歩いたり走ったりする運動が勧められます。
また食事はカルシウムを積極的にとることはもちろん、カルシウムの吸収を助けるビタミンDの摂取も大切です。また、
日光浴は体内でビタミンDを合成する効果があります。