日本人の肥満遺伝子
三種類の肥満遺伝子
日本人の肥満の場合、遺伝的に肥満しやすい体質は、レプチンをコードする肥満遺伝子(ob遺伝子)
の欠損ではなく、ほかの遺伝子の変異によることが多いことが分かっています。ここでは、肥満に関係する物質をコードする遺伝子を
「肥満遺伝子」と呼ぶことにします。
日本人の肥満に関係する肥満遺伝子の多くは次の3つです。
- β3アドレナリン受容体遺伝子
- β2アドレナリン受容体遺伝子
- UCP1遺伝子
■β3アドレナリン受容体
褐色脂肪細胞での熱産生に重要な物質です。褐色脂肪細胞は蓄えた脂肪を燃焼し、体温を保つ役割を持っています。 この肥満遺伝子に変異があると、β3アドレナリン受容体の機能が不十分となり、脳からの「脂肪を燃焼せよ」 という信号を褐色脂肪細胞がうまくキャッチすることができないのです。
また、β3アドレナリン受容体は白色脂肪細胞にもあり、蓄えている脂肪を血液中に放出する指令をうまくキャッチできなくなります。
この肥満遺伝子の変異を持つ人は、内臓脂肪型の肥満になりやすく、基礎代謝量が標準タイプの人に比べて1日当たり200kcal近く低下するといわれています。また、 β3アドレナリン受容体遺伝子は、日本人では約1/3の人に変異があるとされています。
■β2アドレナリン受容体
β3アドレナリン受容体と同じく、脳からの「脂肪を燃焼せよ」というアドレナリンの指令をキャッチする、 アドレナリン受容体を作る物質です。
β2アドレナリン受容体遺伝子に変異があると、逆に基礎代謝量が標準タイプの人にくらべて1日当たり200kcal近く上昇し、痩せやすい体質になります。
■UCP1
UCP1も褐色脂肪細胞に多く見られます。脂肪を代謝し、熱を産生するときに働きます。この肥満遺伝子に変異があると、 UCP1の機能が不十分となり、脂肪を代謝しても熱を産生する機能が弱くなります。基礎代謝量が標準タイプの人に比べて1日当たり100kcal近く低下します。
これらが日本人に多い肥満遺伝子の変異です
ただし、誤解してはならないのが、これらの肥満遺伝子に異常があるからといって、必ず肥満になるということではありません。
肥満には、これ以外にもまだ多くのメカニズムが関わっています。
また生活習慣を改善することで肥満を予防することは充分に可能です。
最近の遺伝子検査の発達によって、これらの肥満遺伝子の異常を簡単に調べることができるようになりました。
中には病院に行かなくても自宅から郵送で検査できるシステムもあります。 自分の体質を知っておくためにもチェックしてみてはいかがでしょうか。

